木の温もり — The Warmth of Wood
2017/11/28
木や木製のものが大好きです。木で出来た素敵なものを見つけると自然と吸い寄せられてしまいます。写真は目白の古民家の塀です。木の年輪が美しく人目を引きます。
私達の生活の中にはあらゆる材質でつくられたものがあります。その中で木(木材)は100%天然素材です。ではその木の効果、木製の製品の効果とはなんでしょうか? 写真は教会の扉。手入れの行き届いた扉が訪れる人を温かく迎えます。
モノには長所と短所がありますね。 木の長所は比強度(比重に対しての強度)、調湿機能、断熱機能、吸音機能、紫外線を吸収、肌触り、加工し易さ、再生し易さがある。また化学的には二酸化炭素を固定するらしいのです。短所といえば、柔らかさゆえに傷がつき易い、水分を吸収、放出する際に膨張して収縮する。家屋への適応は消防法があり場所によっては使用不可能。。。。。
要するに特性を理解し、また気候風土を加味した使い方をすればいいのである。
先日、長野の飯山駅で見つけたこのベンチ。樹形と年輪を存分に生かしたベンチ、1本の木を2つに切っただけのシンプルなものだった。自然に曲がった木の根元も味わい深い。飯山駅にはあらゆるところに絶妙に木が使われていた。とかく寒く冷たい風情の駅が、木の温もりで降り立つ人を迎えてくれるようです。すわっても冷たくないし埃や汚れもすぐに落とすことができます。
70歳になるアメリカ人の友人がある日、訪問先で見たテーブルに大泣きしたことを話してくれました。子供の頃、使われていたダイニングテーブル、ご両親の家を処分する際に廃棄したとばかり思っていた。カナダに移住した妹さんの新居で思いがけずにそのテーブルと再会したのです。四隅の擦れや傷、カップの跡や沁みは彼の記憶をいきなり幼少時代に戻したのです。大家族で囲んだ食卓、団欒の会話、笑い声が聞こえてくるようだったそうです。
下の壁掛けはイタリアの小さな雑貨店で見つけました。我が家の珪藻土の壁にしっくりとマッチします。
ある断捨離の達人がいいました。再び買えるものは処分しても買えないものは取っておくべき。幼少時のそのテーブルは彼にとってはお金では買えない大切な思い出だったのです。古井戸の写真はソウルで撮影しました。井戸の古さと石垣に自生した植物、手作りの木製の蓋が気に入りました。
暮らしの中の温もりは,時を経て大事にされたものがあるかないかでずいぶん変わると思います。どんなおしゃれなモデルルームも温もりは感じないですよね。人が使っているもの、使ってきたものに工夫や手入れをして使うことで温かく幸せな空間ができるのだと思います。
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- Kyoko