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「中庸」な土地で育つ高麗人参

2017/06/19

過剰もなく、不足もないことで、「蔘(高麗人参)」になる。

荒廃している土地では「蔘(高麗人参)」は育ちませんが、一方肥沃過ぎてもいけません。「蔘(高麗人参)」の内部にエネルギーを保持するためには「中庸」が求められるのです。

「蔘(高麗人参)」は特に土地を選ぶ植物です。 農業経済学者のマルチェローニステールチョは、「植物は自ら必要な栄養分を生成し、さらに自然から獲得する。健康な生物なら、このような自給自足的な循環で土地を肥沃にする」と言っています。これを実践するのが有機農業です。自然の循環原理に合わせて営むこの農法では、化学肥料や殺虫剤を使わず、循環耕作で土地を健康に保って、時期を計算して種をまいて収穫します。「蔘(高麗人参)」の栽培は古くからこの農法で行われています。「蔘(高麗人参)」は一度植えると、収穫するまで数年間同じ場所で生育しますから、土地が耕作の成否を分けるのです。「蔘(高麗人参)」の栽培は、土地を選ぶことから始まります。栽培に適した土地を探して、1~2年間「蔘(高麗人参)」が好きな土質に替えていきます。「蔘(高麗人参)」が好きな土地こそ「中庸」なのです。ありあまることも、足りないこともなく、道理に合わせることが「中」でおり、日常的で不変的なものが「庸」なのです。

「蔘(高麗人参)」が好きな土地を準備するためには、まず、天然有機物を土地に混ぜます。普通青草(オークの木の葉)や、わらを使用します。青草を得られない時は、予定地にライ麦、トウモロコシ、スーダングラスなどを肥料を与えずに栽培します。 ライ麦や、スーダングラスは、地中の肥料成分を全て吸収し、地中の無機質成分を有機質の肥料成分に変化させるためです。これらを収穫した後には、山草とわらを土に混ぜて養分を与えます。「蔘(高麗人参)」は、肥料の含有量が過多な土地を嫌います。多くの肥料を必要とする白菜、大根、ネギ、ニンニク、唐辛子を栽培した土地は、予定地から除外されます。土壌が肥沃過ぎると、発育途中で生理障害や病気になりやすいためです。「中庸」の「道徳論」は、自然の順理と同じです。自然はいつも、ありあまることなく、足りないことなく順調に循環する。そんな「中庸」の教えと自然の順理に従った土地で、人の体にありあまることなく、足りなくもない順調なエネルギーを吹き込む「蔘(高麗人参)」になっていくのです。

▶︎高麗人参についてもっと詳しく

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