オメガ3のパワー
2018/11/13
お酒は飲まない、肥満でもなく、肉も好きではないし、白米の代わりに玄米雑穀を食べている30代女性Sさん。最近、血液検査の後、病院で「中性脂肪の数値が高いです。高脂血症かもしれません。」と言われました。体内の中性脂肪の数値が高くなると、血液がねばねばしたり、血栓が生じ、動脈硬化、心臓病(狭心症、心筋梗塞)の発生リスクが高くなります。Sさんは食習慣や年齢から考えて自分にはこのような症状は発生しないと思っていました。Sさんは先天的に中性脂肪が高くなりやすい体質だったのです。客観的に自分自身を知ることは健康維持のために重要です。
良い脂肪?
中性脂肪の管理に必要な栄養素は実は脂肪なのです。脂肪は私たちの身体に必ず必要なのですが、過度の摂取が問題です。脂肪は細胞の構成成分であると同時に、エネルギー源です。体温の維持や、身体のバランスを整えてくれるホルモンの原料となります。脂溶性であるビタミンA、D、E、Kの体内吸収にも必要です。脂肪には身体に良いものと悪いものがあるのです。
飽和脂肪は、悪い脂肪と呼ばれます。高血圧、動脈硬化、心臓病、肥満、メタボリックシンドロームなどの慢性疾患の原因はこの飽和脂肪です。逆に不飽和脂肪は、たくさん食べてもあまり悪いことが起きません。室温で液体の状態を維持する油、例えば魚の油、オリーブオイル、ナッツ等に含まれている油が該当します。オメガ-3も代表的な不飽和脂肪酸です。米国の医学博士ブライアンR.クレメンスは、「オメガ-3が健康を増進し、病気を予防する能力は、他の追随を許さない」と断言しています。
多芸多才なオメガ-3
脂肪が足りないと、私たちの身体にどんなことが起きるのでしょうか?まず脳に問題が生じます。私たちの脳の60%は脂肪で構成されています。このうち20%をオメガ-3成分が占めています。脳細胞の急激な減少を防ぎ、記憶力を維持したい場合は、オメガ-3が豊富な食品を摂取した方が良いでしょう。オメガ-3のもう一つの能力は、血液をきれいにすること。オメガ-3は、血管の中の油を外に排出する役割を持っています。HDL(高密度コレステロール)値を高め、血液の循環をサポートします。オメガ-3は、体内の細胞に潤いをもたらし、若さを保つのにも役立ちます。オメガ-3と呼ばれる脂肪酸は、DHA、EPAなど様々な脂肪の集合体です。この脂肪は細胞が栄養素を吸収するのを助け、有害な物質を細胞の外に排出し、細胞膜を形成するのです。
良いオメガ-3の選び方
オメガ-3を十分に摂取するための一番良い方法は、「バランスよく食べる」こと。体に良いと知られている多くの食品がオメガ-3の宝庫だからです。青魚、クルミをはじめとするナッツ、新鮮な有精卵、オリーブオイルなどで、健康な食事が毎日できれば、オメガ-3の不足の心配は必要ありません。しかもオメガ-3の一日摂取量は、ピーナッツ10個、卵1個、魚1切れ程度です。食事で摂取できない場合には、サプリメントを使っても良いでしょう。
サプリメントとしてオメガ-3を摂取する場合に気をつけたいのは酸化です。オメガ-3は酸化しやすい構造のため、原料が新鮮でない場合や原料が新鮮でも流通過程で酸化してしまうことがあります。タラ、サケ、マグロなどオメガ-3食品として知られている大型魚類は、食物連鎖の一番下の小型魚類を食べているので、体内に重金属がたまっている可能性もあります。可能な限り原材料を確認してきれいな海で生まれ育ったイワシ、サバなど小型魚類で作られたものを選択しましょう。
オメガ-3 Q&A
Q:オメガ-3サプリメントはいつ飲むのがいいですか?
オメガ-3は脂溶性なので、体内に吸収されるのに胆汁酸が必要です。胆汁酸は、食後に多く分泌されるので、食後に飲むことをおすすめします。消化機能が弱い方は、オメガ-3の摂取後吐き気を感じられることがありますので、比較的動きの多い昼食後の摂取が良いでしょう。
Q:オメガ3サプリメントはどのぐらい飲むのがいいですか?
オメガ-3の1日推奨摂取量は500mg-2000mgです。サプリメントを選択するときは、EPAとDHAの含有量を確認する必要があります。韓国の食品医薬品安全処のオメガ-3機能認定内容によると、EPAとDHAが500mg以上であれば血行改善と血中中性脂質の改善、600mg以上であれば、乾燥した目を改善するのに役立ちます。
Q:オメガ3と相性が良い栄養素は?
オメガ-3は、油成分のため、光や空気、熱などにより酸化します。ビタミンEは、抗酸化剤のため、オメガ-3の酸化を防いでくれる作用をします。したがって、ビタミンEとオメガ3は、一緒に飲んだ方が良いです。逆にオメガ6脂肪酸が含まれているガンマリノレイン酸を一緒に摂取すると、オメガ3脂肪酸の効果が減少することがありますので、注意してください。
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- キョンキョン